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ニーズ/ターゲット

年間約500件の新規事業計画書をレビューしているエムアウトが事業計画書の書き方を伝授します。

『ニーズ / ターゲット』の項では、提供しようとしているサービス・商品が誰のどのようなニーズに応えようとしているのかをできるだけ具体的に記述していきます。

考え方として、大きく2つのポイントがあり、この2つを両輪にすることで進めていきます。

@顧客セグメンテーション
2つのポイントの内の一つが顧客セグメンテーションです。
顧客セグメンテーションとは「消費者をなんらかの意味で同質的な消費者グループに分割する」ことです。ユーザーニーズを的確に把握し、何らかの尺度によって市場を分割し、自社の強み・弱みや、競合状況に応じて、今後攻めていく対象とするセグメントを評価・選択することになります。

どんなにいいサービス・商品であったとしても、それを全く求めていない人達に対して、どれだけアピールしてもその良さは伝わりません。
ましてや、対価として代金を支払っていただくことなど不可能です。
特に新規事業の場合、まだ世の中にない、もしくは新規性の高いサービス・商品だとすると、消費者のニーズが顕在化しておらず、潜在ニーズの掘り起こしが必要となることも十分に考えられます。

掘り起こす活動には、それなりのコストが発生してきますから、そういった観点でも、特に新規事業における顧客セグメンテーションは重要な意味を持っています。

また、かけられる経営資源には限りがあるわけですから、セグメントをできるだけ詳細に特定し、そのセグメントに対して集中的に経営資源を投下することが効率的な経営につながります。
整理した顧客セグメントの中で、どのセグメントに焦点を当てるかが事業展開を図っていくうえでの最重要事項であるといえます。

セグメンテーションを行う際の軸について、具体的には以下のようなものが考えられます。
・どんな地域にすんでいる人が対象なのか?
・年代は?
・性別は?
・どんな世帯の人なのか?
・平日/週末はどんな生活を送っている人なのか?
・学生なのか社会人なのか?
・住居は賃貸なのか持ち家なのか?
・収入は?
・預貯金は?

これらはほんの一例です。
これから行おうとしている事業の特性に合わせて、最適な軸を設定する必要があります。

また、一つの軸だけではなく、できるだけ複数の軸をもとに分析を行い、最適なセグメントを選択するとともに、それに続くセグメントの優先順位付けを行っておきます。
事業をスタートさせる前に優先順位をつけておくことで、事業をスタートさせた後、思ったような営業効率が実現できないなど、なんらかの形で当初仮説を変更する必要が出てきた場合にも、第2、第3の優先順位をあらかじめつけておくことで、スピーディーな軌道修正が可能となります。


A顧客ニーズ
もう一つのポイントは顧客ニーズです。
顧客ニーズとは、消費者が感じている不満足や必要としていることです。

顧客のニーズが多様化・高度化している現在、それを明確に把握することは容易ではありません。消費行動を観察したり、アンケート調査やヒアリングによって情報を収集することも重要ですが、そこで得た情報をどうやって活かし、顧客のニーズに答えていくのかが鍵となります。また単に顧客ニーズに答えるのではなく、一歩先を行くことで顧客ニーズを創造していくことが新たな市場の開拓につながっていきます。

ニーズには大きく分けて
・顕在ニーズ
・潜在ニーズ
があります。

顕在化しているニーズは、既に競合他社によって市場が形成されているということですので、市場規模を把握しておくことが重要です。
ニーズに対してストレートに応えている競合がいない場合でも類似サービス・商品によって、現状はそのニーズが満たされているというケースも考えられます。
したがって、競合状況や市場規模を調査する際には、自社が提供しようとしているサービス・商品と完全に一致しない類似サービスについても取り込める可能性のある市場として捉えておく必要があります。

潜在ニーズについては、現段階では市場が存在していないということですから、想定されるターゲットの人数や単価などをもとに、市場の大きさや広がりを推定する必要があります。
また、なぜ顕在化していないのかという理由が存在する場合も多いため、その理由も合わせての説明が必要です。

顕在化していない理由としては、
・顧客が自分自身のニーズを知らない(気付いていない)
・他の商品・サービスによって一時的に代替されている
などが考えられます。

また、そのニーズは対価(お金)を支払ってまで解決したいものなのかどうか、そしてニーズの切迫度は高いのかどうかも市場を創造する上では重要になります。


以上の2つ
@顧客セグメンテーション
A顧客ニーズ

を特定することで、誰のどのようなニーズに応えようとしているのかが明確に定義できます。


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阿野武士


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